イギリス ケンブリッジで生活してみた!の記録🇬🇧

夫の海外留学に伴い、2023年7月末よりイギリスケンブリッジに越してきました。日々のあれこれを記録します。

26歳になりました。「美味しいこと」と「良い人たち」

なんと26歳になりました。

f:id:mizuuk:20180422012545j:image

20代後半のお誕生日なんて、想像していたのは、
すごく大人で、私はもっと美人になっていて、
いつも食欲はそんなになくて、ヒール履いて、
夜景の見えるレストランで、可愛い服を着て、
お花もらったりするのかな。と思っていたけれど、

なんと今は、岩手の三陸大槌町にいて、
毎日もふもふの服を着て美味しく太っている。
幼い日に思い描いた26歳とはちがうけど、
楽しく人生迷っているけど元気です。
でも、自分で来たくて、大槌に来れたから良し。
大槌は良いところだと思います。

お誕生日は、あんな不義理をしたのに、
前の会社の人が沢山連絡くれて、
仲がよいお友達も連絡くれて、
泣きそうになった。ありがとうございます。

私は26歳になっても、気持ちは子どもで、
誰かに直接おめでとうと言ってほしかったけど
でも実は小心者でなかなか人に言えなくて、
ふつうに仕事が終わり、退社した。

f:id:mizuuk:20180422020806j:image

寂しいなあ。と運転をしていたその時、閃いた!
「あ!昨日行った、不思議なマッサージ屋さんが、
頼みたいことあるから、おいで。と言っていたな!
よし、行こう。(寂しいし)」

と家から15分ぐらいのマッサージ屋さんを目指すことに。マッサージ屋さんは大槌に来て30年のニコンさんがやっていて、お隣は旦那さんがの駄菓子屋さん。
見た目はゴテゴテしていて、入るのに勇気がいる。
昨日行って、連絡先を交換したら、その日の夜に「仕事ないんだったら、働いてけろ」と電話をくれたお店。
仕事ないって言ってないけど、そう見えたのかな...
マッサージは破格だし、気持ち良いよいところ。

寂しいから、のこのこマッサージ屋さんに行くと、
隣の駄菓子屋さんに初対面の旦那さんがいて、
コーヒー飲もって言われ、1時間ぐらい身の上話を聞いて、聞いて、聞きまくる。お菓子やコーヒーを頂く。
(小学生は駄菓子3個までタダ。私も金を受け取ってもらえず、本日26歳の私にも赤字ルールが適応された。)

ニコンさんのマッサージ部屋に連れていかれる。
お客さんをマッサージしているニコンさんの隣に座って良いと言われ、まさかのここでくつろいで。と言われる。何故かお客さんも別に問題ないらしい。

お客さんは目を閉じていて、ニコンさんは、
お客さんをマッサージしながら、NHKを見て、
野良犬の殺処分についてどう思うか私に、聞いてくる。
昨日私がマッサージしてもらった時も、
BGMはリラックス音楽ではなく、NHKで、
いきなりマッサージの手が止まったから、
あれ?と思うと天気予報に見入るニコンさんがいた。

お客さんが良くても、あまり良くない気がして、
マッサージ部屋を出て、帰ろうとしたら、
また「頼みたいことある」と、呼んでもらえて
駄菓子屋さんで旦那さんとまた話す。

旦那さんの幸男さんは、15年ぐらい東京の建設会社で
働いていて、だから今も結構な歳ではあるけれど、
防波堤の工事や、家の基礎打ちをしたりする。
震災で家も流されたけれど、重機を使い、ボランティアもした。山から汲み上げていた水を解放した。
顔が黒くて、身軽にちゃきちゃき動いて、
話している途中で、いろんな顔をする。
そして豪快に笑う。

「あんたの話もしろ」といきなり言われ、私がなんで大槌に来たか。私も沢山話をする。

マッサージを終えたニコンさんが合流し、
また長い立ち話が始まる。途中で私だけ座る。
なんで、みんなこう、足腰が丈夫なのだろう。
うちはこっちに来てから、毎日脚が痛いから、
体の丈夫さについて毎日考えている。

ニコンさんは、タイ出身で食べることが大好きだった。
テレビで見た日本の食べ物に釘付けになり、
家族の反対を押し切り、日本に来た。
日本のお弁当屋さんで働いた。
結婚して、幸男さんの実家に来た。

私も食べることが大好きだから、
ニコンさんと意気投合し、食ネタで盛り上がる。
そして、遂に言った、ずうずうしくも、
「わたし、今日誕生日なんです」と。

「あらー!お祝いしなきゃ!」となり、
2人のお家にお邪魔することになった。
お家には、マンゴー、白菜、でっかい牡蠣、
みかん、畑から採ったばかりのネギと芋があり
10分ぐらいで、鍋と巨大牡蠣フライを作ってもらう。
みんなでまた沢山、話しながら食べる。
ごはんを食べていると、近所の人が来たりする。
2回しか会ったことない私が部屋にいるのも変だけど、
ご近所さんも、空いてる椅子に座ってお話をしている。

ごはんを食べた後、私にも何か出来ることないかな。
手伝ってほしいことって何ですかと尋ねると、
本当はネットショッピングをしたいのと、
ネットの駄菓子屋さん、マッサージ屋さんの
住所変更をしたいとの話を聞く。

ネットでお買い物をして、googleマピオンの住所変更の問い合わせをして、住所変更の手続きをする。
ついでにFacebookページも作った。
こんだけなのにすごく喜んでもらえた。
人のお役に立てて、すごく嬉しかった。
私は本当に数字とパソコンが苦手で、
本当にありえないぐらい使えないんだけど、
これだと、生きていけないし、パソコン出来たら
もっと誰かのお役に立てそうだから、
26歳はパソコンと数字を勉強しようと思う。

ニコンさんがこっちに来た当時の話になる。
言葉があまりわからなくても、ワカメの手伝いや、
農作業で沢山のお父さん、お母さんが出来たと。
大槌には、美味しいものと、良い人が沢山いると。

ニコンさんがパパッと作ってくれたごはんは、
本当に本当に美味しかった。
美味しいごはんを食べながら2人の話を聞いて、
文字にすると恥ずかしいけど泣きたい程、幸せだった。

私が大好きな本の中に、
「食べることは自然を一番身近に感じること」
という文章があった。

鍋に入っていた牡蠣はご近所の山田湾、
ネギはニコンさんがマッサージの合間に育てたもの。
三陸の海と、色々と手入れをした畑を思うと、
味はもちろん美味しいんだけれど、
もっと美味しく思うのは気のせいじゃないと思う。

それに、こっちの人は、よく食べ物を交換したり、
沢山採れたものや何かお手伝いをすると
「持ってかえり」とくれたりする。
誰かが突然家に来たら、その人の今日のため!」
っていうよりもパパッと美味しいものを作ったりする。

だから、お世話になりっぱなしは良くないけれど、
うちの頭には、「大槌で出会った人」と「その人が作っているもの、や、その人が食べさせてくれたごはん」が頭に一緒に記憶されている気がする。

ごはんを食べながら、ニコンさんは、何度も
「ここには美味しいものがある」という。
それを聞きながら、それってすごいことだ。と思う。

美味しいものがあるってことは、
美味しいものを育む自然があって、
その自然に向き合いながら、
美味しいものを作る人がいるってこと。

でもそれだけじゃなくて、その美味しいものを人間たちが、おすそ分けして、みんなで分ける気持ちがあって、
なおかつ、美味しく食べる工夫を知っているってこと。
その美味しく食べる技は、美味しいものと一緒に、
人によって、また人へ渡される。

どんだけ素晴らしい自然があっても、
そんな人がいないと、「ここには美味しいものがある」
って、なかなか言えないと思う。

美味しい食べ物」と「良い人との繋がり」は
くっついているんだろうとぼんやり頭の中で考えた。

転職してから、
「なんでわざわざ京都からこんな田舎さ来た?」
「何もないでしょう?もったいない」
と1日に1回は誰かから言われる。
今まで住んだ、京都、岐阜、神奈川、名古屋。
全部素晴らしいところで、良い人に恵まれたけれど、

こんなに「食べ物の美味しさ」と「人」

そのどちらもが、同時にどしん。と心に落ちるところはなかった気がする。

私は、食べることが好きだし、人間も多分好き。
だから、願わくば、
「ここには、美味しいものがたくさんある」
って言い切れるような場所で、言い切れるような
人間関係の中で生きていきたいなあ。

そんな自分の場所を人生の中でつくれたら
良いなあと26歳の初日に思いました。

沢山の人に「え!名古屋の次は岩手?大丈夫?」と、
心配されてるけれど、良いところだと思います。
運良く、皆さんに良くしてもらえて、すごく幸せです。

本当に素敵な素敵な1日でした。

お話してる中で、
「あんたはいい子。素直。目を見たら分かる。
綺麗な目の色をしてる。人間目を見たら分かる」
と、何回も言ってくれたんだけど、
私、今普通のコンタクトを切らしていて、
昔使っていたカラコンなんです。
ナチュラルだけど目の色は微妙に違うんです。

次会う時、目の色違うってなったら、
どうしようと少し心配。

f:id:mizuuk:20180422011653j:imagef:id:mizuuk:20180422012609j:image

f:id:mizuuk:20180422011719j:imagef:id:mizuuk:20180422011736j:imagef:id:mizuuk:20180422012415j:image